girls

/色づき

トキメキが無くなったのはいつからだろう。

素直に喜べなくなったのは大人になったから?

じゃあ大人って何なんだろう。いつもどこか何かに
満足出来るものを求めてるのに、これでいいか、と
妥協する事をちゃんと覚えてる。

--------------------------
【菊川晴斗】

彼は職場の同僚であり先輩。
国立の大学院まで進学してから就職しているので
年は二つ離れているけれど入社次期は同じ。
なので「同僚」

私自身の「高畑 すみれ」の名前から下の名前を取って
いとも容易く「すみれちゃん」と呼んだ彼に対して
初めは軽い、とまで思ったものだった。

実際、ここ5ヶ月の間に他の同僚や先輩と楽しそうに
プライベートでも遊ぶ、菊川君の話は小耳にはさんでいたのでフットワークも軽いと感じてた。

それだけに昨日「付き合ってください」と書かれた
ラインの文章には正直、意図が分からず戸惑う。

何故、私?

入社祝いに上司に居酒屋で奢って貰った時、
向かいの席に座っていたのは確か菊川君だった記憶はある。自己紹介をして他愛もない会話もした。
だけど、ただそれだけ。
その後、仕事が始まってからは業務上の会話しか
してなかったはず、なのだけれど。


好意を抱く瞬間なんてあったか!?

寝る前に布団の中でグルっと考えたけど浮かばなかった。

遊ばれてる?と考えても、遊びたいような女でも
ない気がするし、ひねくれた発想にも思えてやめた。

とりあえずその日はラインに既読をつけてしまったので
「すいません、どういった事でしょうか?」と
律儀な文面で返信。

送った時間が0時を回ってただけに直ぐには
返信も来ないだろうと思ってたんだけど……

その直後に既読。既読の表示がついてびっくりして、、

寝た。

そう寝たのだ。私は。私はアマノジャクになってた、と
ヒシヒシ。でも普通そんなものだ。25になって告白されたからと言って日にちを跨いでまでラインし続けられるかと言われると学生とは訳が違う。
そんなのは疲れる……

とりあえず私は返信文を電車の中でチェックした。
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop