×princess misfortune×
人気者の樹野くん
「文化祭用の費用渡すから取りに来いよ」
間延びした担任の呼びかけで、職員室に並んで入る樹野くんと……わたし。
やるって決めた訳じゃない。
起立、礼……の瞬間に、教室から飛び出そうとしたわたしを、
「職員室はこっちだよ? 浅野さん」
相変わらず満面の笑みを浮かべた樹野くんがすかさず腕を掴んで制止した。
ここで暴れて見苦しいとこを見せるのも、わたしのプライドに反する……。
現に教室中の女子からの痛い程の視線は、完全にわたしに突き刺さってる。
とにかくこの場から離れて、落ち着いて話するしかない。
そう思って、職員室まで我慢して黙ってついて来た。
「国語準備室に使えそうな道具押し込んでるから」
こう言って先生に渡されたのは、今は物置と化した国語準備室の鍵だった。
それを受け取ったわたしは、樹野くんの背中を押しながら早々に職員室を後にした。
とにかく人の居ないところで話をつけるしかない。
背後からわたしを呼ぶ声も無視して、わたしは国語準備室を目指した。
間延びした担任の呼びかけで、職員室に並んで入る樹野くんと……わたし。
やるって決めた訳じゃない。
起立、礼……の瞬間に、教室から飛び出そうとしたわたしを、
「職員室はこっちだよ? 浅野さん」
相変わらず満面の笑みを浮かべた樹野くんがすかさず腕を掴んで制止した。
ここで暴れて見苦しいとこを見せるのも、わたしのプライドに反する……。
現に教室中の女子からの痛い程の視線は、完全にわたしに突き刺さってる。
とにかくこの場から離れて、落ち着いて話するしかない。
そう思って、職員室まで我慢して黙ってついて来た。
「国語準備室に使えそうな道具押し込んでるから」
こう言って先生に渡されたのは、今は物置と化した国語準備室の鍵だった。
それを受け取ったわたしは、樹野くんの背中を押しながら早々に職員室を後にした。
とにかく人の居ないところで話をつけるしかない。
背後からわたしを呼ぶ声も無視して、わたしは国語準備室を目指した。