×princess misfortune×
「木下さんズルい……」
「あっ。樹野くんだぁ」
熱烈なハグを受けていたわたしの傍らに、いつの間にか戻ってきていた樹野くんが立っている。
しかも、すっごく不満げな顔で……。
「許可降りたの?」
それを無視して尋ねれば、黙って頷くだけ。
……もう。なんだっていうのよ。
「お料理教室がんばってねぇ」
実哉が教室から出て行くわたしたちに手を振った。
「樹野くんも料理出来ないの?」
人手は多いに限る。
簡単なお菓子しか作らないからって、初心者ばっかりを抱えてたんじゃあさすがに不安。
「出来るよ。お菓子は作らないけど」
藁にもすがりたいわたしに一筋の光が……。
それにしても、ムカつくなぁ。
サラッと答えるのが嫌味で嫌味で仕方ない。
でも、
「良かった。なら手伝って……」
「手伝わないよ。聖偉ちゃん?」
笑顔でお願いすれば頷いてくれるだろうって、浮かべた作り笑顔は瞬時に消えた。
むしろ、何倍も目映い笑顔で拒否したコイツに殺意すら芽生える……。
「あっ。樹野くんだぁ」
熱烈なハグを受けていたわたしの傍らに、いつの間にか戻ってきていた樹野くんが立っている。
しかも、すっごく不満げな顔で……。
「許可降りたの?」
それを無視して尋ねれば、黙って頷くだけ。
……もう。なんだっていうのよ。
「お料理教室がんばってねぇ」
実哉が教室から出て行くわたしたちに手を振った。
「樹野くんも料理出来ないの?」
人手は多いに限る。
簡単なお菓子しか作らないからって、初心者ばっかりを抱えてたんじゃあさすがに不安。
「出来るよ。お菓子は作らないけど」
藁にもすがりたいわたしに一筋の光が……。
それにしても、ムカつくなぁ。
サラッと答えるのが嫌味で嫌味で仕方ない。
でも、
「良かった。なら手伝って……」
「手伝わないよ。聖偉ちゃん?」
笑顔でお願いすれば頷いてくれるだろうって、浮かべた作り笑顔は瞬時に消えた。
むしろ、何倍も目映い笑顔で拒否したコイツに殺意すら芽生える……。