×princess misfortune×
「でも……」
「えっ? ……っちょっ!!」
廊下の死角にわたしを引っ張り込んだ樹野くんが、例によって顔をやたらくっつけてくる。
「俺も木下さんくらい抱きついても許しくれるなら……手伝うよ? 聖偉ちゃん?」
人の弱みにトコトンつけ込んでくるなぁ……この男は。
だいたい、人の許可無くベタベタベタベタ触りまくってるくせに今更……。
「いらないから離して。金輪際触らないで」
ここで慌てると余計この男が燃えることはもう承知してる。
だから至って冷静に、顔を遠ざけるけど、
「ヤだよっ」
やっぱり捕まった……。
わたしの顎を右手に、無理矢理視線を合わせてくる顔は綺麗な笑顔。
「俺、聖偉ちゃんに触らないと死んじゃう」
「じゃあ死ね」
緩んだ腕から素早く抜け出し、樹野くんを軽く睨みつける。
聖偉ちゃんのバカ~
とか言ってるけど無視。
わたしの制服の裾を後ろから引っ張ってるエロサディストを完全に空気扱いしながら、わたしは家庭科室へと早足で向かった。
「えっ? ……っちょっ!!」
廊下の死角にわたしを引っ張り込んだ樹野くんが、例によって顔をやたらくっつけてくる。
「俺も木下さんくらい抱きついても許しくれるなら……手伝うよ? 聖偉ちゃん?」
人の弱みにトコトンつけ込んでくるなぁ……この男は。
だいたい、人の許可無くベタベタベタベタ触りまくってるくせに今更……。
「いらないから離して。金輪際触らないで」
ここで慌てると余計この男が燃えることはもう承知してる。
だから至って冷静に、顔を遠ざけるけど、
「ヤだよっ」
やっぱり捕まった……。
わたしの顎を右手に、無理矢理視線を合わせてくる顔は綺麗な笑顔。
「俺、聖偉ちゃんに触らないと死んじゃう」
「じゃあ死ね」
緩んだ腕から素早く抜け出し、樹野くんを軽く睨みつける。
聖偉ちゃんのバカ~
とか言ってるけど無視。
わたしの制服の裾を後ろから引っ張ってるエロサディストを完全に空気扱いしながら、わたしは家庭科室へと早足で向かった。