×princess misfortune×
「じゃあ高橋くん、ハイ」


ゆっこ&尋香の勢いに乗っかって、わたしもすぐ隣にいた高橋くんの口にフルーツサンドを持っていった。



躊躇いがちに開けた高橋くんの口にフルーツサンドを入れ、


「わたしたちが作ったんだよ。どう?」



なんて聞いてみる。


ちょっと困ったような顔をした高橋くんが、うんうんと何度か頷いた。




「なにラブってんのぉ~っ!!」

「ウゼェ~!!浅野ちゃんウゼェ!!」


口も手もクリームでベッタベタになったゆっこ&尋香が、気付けば背後でニタニタ笑ってる。



小学生以下の冷やかしに、わたしも高橋くんもシカトで洗い物を再開させた。







片付けを終え、クラスへの差し入れを手にしたわたしたち。



「ねぇ~!! 鷹楽くんはぁ??」

「さっきから居ないのっ! 浅野ちゃん知らないのっ??」


……大人しいからすっかり忘れてた。



生クリーム泡立ててる時くらいから忘れてた。



先に教室行っちゃったんじゃない?



ってことで話はまとまり、全員とりあえず大皿に盛った差し入れを持って撤収。



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