×princess misfortune×
ダメ……。
間に合わない……。
実力テスト当日だってのにとんでもない寝坊をしてしまった……。
だからって、スッピンで登校するのは、プライドプリンセス浅野 聖偉の名に懸けて許せない。
仕方ないからこうして全力疾走してるわけだけど……。
絶対間に合わない……。
いくらわたしの運動神経が抜群でも、不可能。
だったら、奥の手を使うしかない。
「こんなとこ、置いてる方が悪いッ!」
ってことで、
電柱の脇に放置されていた鍵ナシの自転車を拝借することが決定。
制服のスカートが捲れ上がるのも気にせずサドルに跨る。
右足に力を入れて、思いっ切りペダルを踏み込んだところで……、
「……っ!!」
全く進まない……。
どころか、
「えっ……えっ!」
ズリズリと後ろへ引っ張られてる。
驚いて振り返った先には、
「面白いことしてるね。浅野さん?」
見飽きるほど見てきた顔が笑ってる。
「……離してよ。樹野くん」
クラスメートの樹野 鷹楽(たから)。
間に合わない……。
実力テスト当日だってのにとんでもない寝坊をしてしまった……。
だからって、スッピンで登校するのは、プライドプリンセス浅野 聖偉の名に懸けて許せない。
仕方ないからこうして全力疾走してるわけだけど……。
絶対間に合わない……。
いくらわたしの運動神経が抜群でも、不可能。
だったら、奥の手を使うしかない。
「こんなとこ、置いてる方が悪いッ!」
ってことで、
電柱の脇に放置されていた鍵ナシの自転車を拝借することが決定。
制服のスカートが捲れ上がるのも気にせずサドルに跨る。
右足に力を入れて、思いっ切りペダルを踏み込んだところで……、
「……っ!!」
全く進まない……。
どころか、
「えっ……えっ!」
ズリズリと後ろへ引っ張られてる。
驚いて振り返った先には、
「面白いことしてるね。浅野さん?」
見飽きるほど見てきた顔が笑ってる。
「……離してよ。樹野くん」
クラスメートの樹野 鷹楽(たから)。