×princess misfortune×
懇願するわたしを見ていた実哉はにっこり。



「聖偉ちゃん寂しいのぉ? だったら実哉ずっと居るぅ!!」



結局、実哉は宣言通り、ご丁寧にも買い物の間中わたしの腕にくっついて離れることはなかった……。





買い物を終え、会計を済ませてる間にゆっこ&尋香プラス実哉が逃げた。




荷物持ちさせられるのが嫌だったらしい……。



見てみれば、店の入り口にあるガチャガチャの前に座ってる三人を発見。



……絶対荷物持ちさせてやる。



じゃないと、散々店で騒ぐだけ騒いだだけで、何のために連れてきたのかわからない……。



重いものは持つよ。

って、男子たちからの申し出に甘えて缶詰めとかの重いものは任せる。



「聖偉ちゃん」

「えっ?」



両手一杯の買い物袋にイライラしていたわたしを、一歩前を歩いていた樹野くんが振り返る。




「絡まれてない? 木下さんたち」



樹野くんが視線を促した先には、



他校の制服を着た女子が二人。



状況を掴めてないゆっこ&尋香の隣で俯く実哉を見た瞬間、




わたしは駆けだしていた。
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