×princess misfortune×
首をブンブン振って否定するけど、


「却下」


テレビのアイドル並みのキラキラした笑顔で拒否。



「前のヤツ消えてるから更新しとくよ? 聖偉ちゃん?」



わたしに抵抗の余地も与えず、


わたしに新たな樹野 鷹楽印がつけられた。



せっかく前のがやっと消えたのに……。



「お風呂入るときに思い出してね? 聖偉ちゃん?」



極めつけは耳元で低く囁かれたこの言葉。



耳を押さえながら体を起こしたわたしは、そそくさと樹野くんから離れた。



「思い出すかぁ!! バカ!!」



なんて啖呵切って家庭科室から飛び出したものの……。



前がそうだったみたいに、否が応でもお風呂に入ると実際思い出してしまう……。



そんな自分が恥ずかしくて、振り払いたくて教室まで全力疾走してみた。



そんなわたしの言いしれぬ苛立ちは、



買ってきた卵をほったらかして、余ったお金で買ったお菓子で軽く盛り上がるゆっこ&尋香に…………遠慮なくぶつけさせてもらった。
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