×princess misfortune×
文化祭三日前。



目前に迫った文化祭で盛り上がる放課後の雰囲気は、蚊帳の外。



しんと静まり返った教室の中で、



わたしは倒れた机や椅子の間に、仁王立ちで立ち尽くしていた。



床には口の端を血に濡らした頭の悪そうな男と、



「サイテー!! 暴力反対~!!」



使い古されたセリフを声高らからに吠える化粧妖怪が二匹。



教室の隅では、



顔面蒼白で震えてる実哉が居た。



「ゴミ。消えてよ」




妖怪の一人は小中学校が一緒だった。



いつでも取り巻きを引き連れて、



弱い者を傷ぶって笑うゴミだった。




ムカついたから殴ったら、しばらく大人しくしてた。



その反動が今になって来たらしい。

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