×princess misfortune×
「文化祭だからって調子乗って、ムカつく」
彼氏と思しき男と妖怪一匹を連れて、なんともストレートで、身勝手な言いがかりをつけてきた。
何言ってんの?
邪魔するなら出て行けよ~。
騒然とする教室の中で俯く実哉に、
次に投げつけられた言葉で、クラスに静寂が訪れた。
瞬間、
頭が真っ白になって、
気がつけばこの有り様。
「心と体が合わない苦しみ、知らないヤツが軽々しく言うなっ!!」
瞳から溢れ出す涙もほったらかして、わたしは足元の男を蹴飛ばした。
静まり返った教室に響く自分の声に、虚しさと苛立ちがこみ上げてきた。
だからイヤなんだ……。
結局、実哉もわたしも受け入れられない。
男の子の体を捨てて、女の子であることを決めた実哉。
物言わないのに見た目だけで羨望と嫉妬を投げかけられ続けたわたし。
やっぱり、
わたしたちはイロモノ。
おもしろおかしい話題の一つでしかない……。
抑えきれない悔しさで噛みしめた唇からほのかに、血の味が広がった。
彼氏と思しき男と妖怪一匹を連れて、なんともストレートで、身勝手な言いがかりをつけてきた。
何言ってんの?
邪魔するなら出て行けよ~。
騒然とする教室の中で俯く実哉に、
次に投げつけられた言葉で、クラスに静寂が訪れた。
瞬間、
頭が真っ白になって、
気がつけばこの有り様。
「心と体が合わない苦しみ、知らないヤツが軽々しく言うなっ!!」
瞳から溢れ出す涙もほったらかして、わたしは足元の男を蹴飛ばした。
静まり返った教室に響く自分の声に、虚しさと苛立ちがこみ上げてきた。
だからイヤなんだ……。
結局、実哉もわたしも受け入れられない。
男の子の体を捨てて、女の子であることを決めた実哉。
物言わないのに見た目だけで羨望と嫉妬を投げかけられ続けたわたし。
やっぱり、
わたしたちはイロモノ。
おもしろおかしい話題の一つでしかない……。
抑えきれない悔しさで噛みしめた唇からほのかに、血の味が広がった。