×princess misfortune×
気がついたら床に転がってた男と、妖怪は姿を消していた。


入れ替わりで入ってきたのは、調理係のメンバー分の検便を提出しに行っていたゆっこ&尋香。


「うわぁっ!! どしたのこれっ!?」

「やーんっ!! なんで女子泣いてんのっ!? 尋香たちが居ない間に何があったのっ!?」




何とも形容しがたいこの状況に、二人は慌てふためいてその場で二周ほどくるくる回ってた。





ゆっこ&尋香に状況を説明したり、わたしに賞賛の声を向けてくれたり、実哉を慰めてくれたり……。


わたしはただぼんやりと、それらを代わる代わる瞳に映してた。




「あちゃー……。やっぱりホントだったのか~」



「聖偉ちゃんっ!」


ゆっこたちより三分ほど遅れて、職員室で話をしていた樹野くんと眉間に皺を寄せた担任が現れた。



教室に入るなり、一目散にわたしに駆け寄ってきた樹野くん。

見たことないくらい、心配そうにわたしを見下ろしている。


ゆっくり教室に入ってきた担任は、


散乱した机や椅子、


ちょっと高ぶったテンションのクラスに目を向けた後、ゆっくりとわたしに目を向けた。



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