×princess misfortune×
二日間のお料理教室の甲斐があって、大まかな要領は得てるみたい。
高橋くんからの状況説明に、細かなアドバイスを加えていきながらどうにか調理係を遠隔操作する。
「後は余熱入れたオーブンで焼くだけ」
一時間の通話を経て、何とかここまでこぎつけた……。
時折、
「高橋くん~実哉にも代わってぇ~」
とか、
「やーい!! 浅野ちゃん謹慎謹慎っ! ダセェっ!!」
なんていう雑音も混じってたけど……。
「浅野さん」
通話を終わらせようと思ってたわたしを、高橋くんが呼び止めた。
「なに?」
「一緒に作ってるみたいで心強かった。ありがと」
「…………」
不意に言われたお礼が耳から全身に広がった。
迷惑ばっかりかけて、ありがとうなんて……言われることしてないのに……。
「高橋っ!! おまえ抜け駆けすんなよ! ムッツリ~」
電話越しに、高橋くんが樹野くんに絡まれてる……。
「聖偉ちゃんっ! 高橋なんか相手にっ」
通話終了。
急に静かになった耳元が、やけに寂しく感じる。
高橋くんからの状況説明に、細かなアドバイスを加えていきながらどうにか調理係を遠隔操作する。
「後は余熱入れたオーブンで焼くだけ」
一時間の通話を経て、何とかここまでこぎつけた……。
時折、
「高橋くん~実哉にも代わってぇ~」
とか、
「やーい!! 浅野ちゃん謹慎謹慎っ! ダセェっ!!」
なんていう雑音も混じってたけど……。
「浅野さん」
通話を終わらせようと思ってたわたしを、高橋くんが呼び止めた。
「なに?」
「一緒に作ってるみたいで心強かった。ありがと」
「…………」
不意に言われたお礼が耳から全身に広がった。
迷惑ばっかりかけて、ありがとうなんて……言われることしてないのに……。
「高橋っ!! おまえ抜け駆けすんなよ! ムッツリ~」
電話越しに、高橋くんが樹野くんに絡まれてる……。
「聖偉ちゃんっ! 高橋なんか相手にっ」
通話終了。
急に静かになった耳元が、やけに寂しく感じる。