×princess misfortune×
いきなり現れた沢田に面食らっている俺に、


「ほらっ。受け取ったら十倍返し必至の誕生日プレゼント」



こう言って彼女が差し出したのは、大中小それぞれの紙袋三つ。




沢田に薦められるまま開けていくと、



「あっ……」



大から出てきたのは抱き枕。



中から出てきたのは手作りのコーヒーゼリー。



小から出てきたのはアクション映画のDVDだった。




もちろん、どれもこれもに見覚えがある。




目を丸くする俺に、


「誕生日ケーキにしようと思ったけど、高橋ケーキ嫌いみたいだからさ。浅野さんに教えてもらったの。コーヒーゼリー」



そのためにケーキバイキングなんかに連れてったのか……。




「じゃあ、色々連れまわしたのも……」


抱き枕にアクション映画……。



どちらも俺が興味を示してたもの。



「普通に聞いても芸がないでしょ?」




なんて言いながら、ちょっと俯く彼女の顔はほのかに赤い。


下ろした手にぐっと握られていた沢田の携帯。



そこには一昨日俺がゲーセンで取ったブタのストラップ。



よく見れば見覚えのあるモスグリーンのスカートも履いている。
< 82 / 82 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

庭師とお姫様 (naturally番外編)

総文字数/25,234

恋愛(純愛)70ページ

表紙を見る
『natural source』(naturally番外編)

総文字数/46,879

恋愛(純愛)95ページ

表紙を見る
『naturally』

総文字数/26,291

恋愛(その他)58ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop