風に乗った桜には。
よく、君が解らなかった。
そして、桜の上に積もった雪みたいだと思った。
春の暖かさですぐ溶けちゃうんだ。
でも、存在感が強く。
自分は存在しているんだと、主張しているようだった。
私には無く、君にはある、意思。
感情。
毎日、毎日君は来てくれた。
私が存在していて、君が存在している。
沢山話していて、思ったんだよ。
そう、君は遠まわしに言っているってこと。
毎日来てくれたおかげでもうひとつ、わかった。
きっと彼も重い病気なんだろな、と思った。
だって、たまに顔を顰めて。
気付かないようにしているんだろうけど、微かに手が震えて。
その後、すぐ帰っちゃうんだ。