風に乗った桜には。
でもそんな考えはすぐに消して。


きっと、桜がなくなっちゃったからだって思った。

毎年、毎年私は桜の木を見る。



そして、毎年、毎年。

出逢った時と同じようにひらりと、薄ピンクの桜が窓の隙間から入ってくる。


顔を上げても。

君はいない。



ふわりと暖かい風が頬を撫でても。


君と話した時と違う暖かさで。






涙が出そうで。
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