Marriage Knot
「いいよね、結は。なんか最近幸せそうだもん」

「え?」

私はどきっとして、タパスをつまむのをやめた。

「雰囲気がやさしくて、満たされてる感じ。編み物の癒し効果?それとも、恋人できた?」

「まさか。編み物作家として順調だからじゃないのかな」

秘密がばれないかと鼓動が早くなるのを抑えながら、できるだけ冷静な声で答えると、茉祐は安心したようににっと笑った。
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