Marriage Knot
私は、さっと血の気が引いていくのを感じた。「特ダネ」に得意になっている茉祐は、そんな私の様子に気づかずに耳打ちをやめない。

「なんと、二人で編み物してたの。結が編んでいるような、かぎ針編みの作品を見ながら、楽しそうになにか話してたのよ。私が見かけたのは、婚活パーティーで知り合った人と行った高級バーで、だったんだけどね。会員制のバーだったかなあ」

「……『Knitted Celebrity』?」

「あ、そうそう。知ってるの?」

「……なんとなく」

私はそっけなく返した。目元が震えて、目の奥が熱くなってきた。
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