Marriage Knot

桐哉さんが立ち上がって、窓辺に向かった。そして、景色を見つめながら私を手招きした。そっと私は歩いて行って、彼に寄り添った。いつの間にか太陽は西に傾いていた。夕焼けを見ながら、私は桐哉さんのベストの模様を指でなぞった。

「素敵なアラン。ダブル・ジグザグですね」

「そう。アラン諸島の断崖を表しています。意味は……」
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