転職先の副社長が初恋の人で餌付けされてます!
それからというもの、李江は、拓武と自分、二人分の弁当を作っている。時間の都合が合えば、外で一緒に食べる事もあったし、それぞれで食べる事もある。食事をする場所は別々でも『同じもの』を食べられるというところに、李江はこだわっているようだった。
時には、拓武の部屋で夕食を作る事もあるし、二人で外に食べに行くこともあった。李江の料理は拓武の口に合うし、李江の手料理はうれしいが、仕事もあるのに大変じゃないかと拓武が言うと、李江はこう答えるのだった。
「今度は、私が拓武さんを餌付けするんです!」
別に餌付けしていたつもりは無かったんだけど……と、拓武は思うのだが、『自分のため』に料理をする李江も好きなので、黙って餌付けされる事にした。
「……できれば、一生、李江の作った料理を食べたいんだけど」
というセリフは、プロポーズとしてはベタすぎるだろうか、などと考えつつ、言い出すタイミングを探しながら。
(完)
時には、拓武の部屋で夕食を作る事もあるし、二人で外に食べに行くこともあった。李江の料理は拓武の口に合うし、李江の手料理はうれしいが、仕事もあるのに大変じゃないかと拓武が言うと、李江はこう答えるのだった。
「今度は、私が拓武さんを餌付けするんです!」
別に餌付けしていたつもりは無かったんだけど……と、拓武は思うのだが、『自分のため』に料理をする李江も好きなので、黙って餌付けされる事にした。
「……できれば、一生、李江の作った料理を食べたいんだけど」
というセリフは、プロポーズとしてはベタすぎるだろうか、などと考えつつ、言い出すタイミングを探しながら。
(完)