* switch *

境界線

朝気付くと 自分の部屋のベッドで寝ていた。

あっ…お兄ちゃんが運んでくれたのかな?

ノロノロと部屋から出て リビングに行くと お兄ちゃんは居なくて 朝ご飯だけが用意されていた。

正直 お兄ちゃんに会わなくて良かったと思った。どんな顔をして会えば良いかわからないから…

ご飯を食べて 会社に行く準備をする。いつもの朝の様に…

携帯を見ると 翔君からLINEが入っていて、私は 見るのもスルーした。何だか昨日の事を聞かれたり 知られたりするのが嫌だったから…

少しブルーになりながら電車に乗り、会社に向かった。今日をいつもの朝の様に過ごせるために 無理やり自分を奮い立たせて。

「おはよう朝倉。今日は電車なんて珍しいな。」

「おはよう志木君。そうなの、ちょっとお兄ちゃんと気不味くてね。」

「へぇ喧嘩したの?お兄さん 朝倉の事 何でも許しちゃう感じなのにな。」

「そんな風に見えるんだ。今日、志木君夜予定ある?」

「///へっ朝倉…今何て言ったの?」

「夜予定空いてる?」

「///空いてるに決まってる。空いてなくても空いてるよ…」

クスクス笑いながら私は

「何だか志木君って 面白いね。今日美味しい物食べたいな…」

「わかった。俺全力で探すよ…世界一美味しい店を…」

「志木君…私そこまで求めてないけど…でもありがとう。」

ニコリと笑いながら志木君を見ると

「///朝倉と一緒なら どこでも俺は世界一美味しい店になるな…」

と真っ赤な顔で呟いていたので、どうしたのかなと思いながら 会社への道を歩いて行った…



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