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次の日 会社で仕事をしていると課の部長に呼ばれた。

「朝倉さん、君 STAR☆ホールディングのお偉いさんの知り合いなの? 」

「STAR☆ホールディングって…あれ?翔君の会社?あっ、知り合いはいますが…」

「今 朝倉さん呼ばれたから 一緒に行くよ。」

訳がわからないまま 部長と一緒に重役が使う方の 特別会議室に入る。

「あっ。」

「朝倉さん、こちらSTAR☆ホールディングの深山専務です。」

「こんにちは朝倉さん。昨日は楽しかったよ…」

「失礼しました。こんにちは深山さん。びっくりしました。まさかこんな所で会うとは思ってなかったので…」

「お二人はどういう繋がりがあるんですか?」

うちの社長が私に尋ねる。

「私の兄の大学の友人なんです。昨日も会ったばかりで…そんな話聞いてなかったので、驚いています。」

「ほぉ 世の中は狭いですね。」

「そうですね。でも僕は会うべき人に会ったと思っています。僕の名前は月都で、彼女の名前は月夢。月の都と夢。偶然にしちゃ出来すぎてませんか?」

「成る程、朝倉に会う前から、このお話が合ったのですから 御社とは縁がありますね。」

「しかも、彼女 朝倉の開発している新薬が今回の発表に関係してくるとなると 怖い位に縁がありますよ。」

「朝倉さん 僕のオフィスに今度来て下さい。開発された物が どんな発表をされるか 生で見たいでしょ?」

「ええ是非。よろしくお願い致します。」

私は 1人だけ会議室から退出した。廊下を歩いていると、

「待って。月夢ちゃん…」

月都君が焦って追いかけて来たから…

「月夢ちゃん、今日これから 食事に行かない?STAR☆は関係なく!」

「俺ね 色々知ってるんだよ。結弦や翔の昔の事!聞きたいでしょ?」

「え?深山さん今仕事は大丈夫なんですか?」

「あっ部下に任せてる。俺は付き添いだし。ね、行こうよ。連絡先教えてよ、後で連絡入れるから…」

「わかりました。深山さんこれが 私の連絡先です。」

私は名刺の裏に プライベートの番号を書いて 彼に渡した。

「ありがとう月夢ちゃん。じゃあ、終わったら連絡入れるから、またね!」

クスリと笑いながら 月都君は会議室に戻って行った。

私は 昨日の今日で随分と 月都君が距離を詰めるなと思いながらも、お兄ちゃんの友達だし、無下には出来ないと思いながら、月都君の専務という立場も理解しなければいけない 複雑な感じに戸惑いを感じた。





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