* switch *
う…ん?私 寝てた?あれ?ここは何処なんだろう?見慣れない 初めてみる インテリア、モデルルームみたいに 綺麗な部屋のソファーに横たわっていた。

耳を澄ますと シャワーの音が聞こえる。今何時?鞄から携帯を取り出し 時間を確認する。


え?11時?翔君に連絡しなきゃ…
ピッピッ…

「もしもし…翔君。遅くなってごめんね。」

「月夢。今どこ?」

「わかんない。どこかの部屋みたい。」

「早く逃げて。お願い…」

「え?」

鞄を急いで持って 玄関に向かった。何?何が起こってんの?

扉を開けようとして、向こうから扉が開いた。

「あれ月夢ちゃん、目が覚めたの?何処に行くの?」

「あっ、月都君。あの…私帰ります。」

「何で?せっかく俺の部屋に来たんだから ゆっくりしていってよ。」

「あのもう遅いですし、お兄ちゃんに迎えに来てもらいます。」

「何で?そんなに急いで帰るの?」

携帯は 通話のままにしている…

「あの、私がお酒に酔って 寝てしまったのは 失礼で申し訳ないと思っています。だけど、月都君はおかしいです。」

「何で おかしいと思うの?」

「だって彼女でもないのに、勝手に部屋に連れて行くとか あり得ないです。それに月都君は、私の家を知っているからです。」

「ハハ、月夢ちゃんは流石に切れるね…だけど甘いね。俺の部屋に来た時点でアウト。もう逃げれないから…」

「それは どうでしょう?」

「は?頭おかしくなった?」

「いえ、全く持って正常です。私には ナイトがいますから…」

「ねぇかなり 痛いって言われた事ない?」

「いえ、いるんですよ。」

ピンポーンと部屋に鳴るドアベル…それと同時に ドンドンとドアを叩く音。

壁のインターホンに映るのは 私の大好きな翔君。素早く出て

「翔君、お迎えありがとう!」

と返答をした。

「ハハ…どうしてこんな展開?あり得ない。」

すっと玄関まで走って ドアを開ける。ギュッと抱きしめられた途端 腰が抜けた。

「月都 姫は拐って行くな。ってか もうお前には近付けないから…じゃあな。」

翔君にお姫様抱っこをされながら、エレベーターに乗り 車まで連れられた。



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