* switch *

仕事です

黙って翔君の車に連れられ ドアを開けて座席に座らせれ、やっとの思いで発した言葉は

「ごめんな…さい…」

「…月夢良かった。」

気付けば 翔君に抱きしめられていて…翔君の胸の中で 安心でき涙が溢れてきた。

[ねぇ月夢約束して…いくら仕事とは言え 男と二人っきりにならないで。お酒も禁止、わかった?]

「う、ん。怖かっ…た。だって 翔君とお兄ちゃんの知り合いだから…」

翔君は溢れる涙を指で拭い 優しく私に話をする。

「そうだね。だけどあいつ月都は別だよ。月夢の事 初めから狙ってたからな。」

そんなの知らないし、わからないよ…。だけど翔君 直ぐに駆け付けてくれたのは どうして?

「翔君、何で私がいた場所がわかったの?」

「ああ、簡単だよ…溺愛する月夢の事を過保護に守る男がいて良かったよ…。」

溺愛する過保護な男?

「結弦に場所を教えてもらったからな…あっ。結弦に連絡入れなきゃ…。」

私を抱きしめながら 翔君はその場で お兄ちゃんに電話をして、私を無事に救出した事を話している。

「ああ、大分落ち着き 心配ない。じゃあな…」

電話が終わり また静かになった車内になる。

「月夢 帰るけど 抱きしめてなくて大丈夫か?」

「翔君が側にいるから大丈夫だよ?」

「わかった。無理するな、手は繋いでいるから、帰ろう。」

「///うん。」

ハンドルを右手で運転して、左手は私の手をぎゅっと繋ぐ翔君。私は多分この手を 一生離したくないって思った…



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