* switch *
「で、月都自らがここに来た理由を 教えて貰らおうか?」

「ハハ…俺お前に全く持って 信用されてないよな…。」

「てか、会社として月夢に用があるなら、普通 家には来ないだろ?何企んでるんだ?」


翔君が私を守る様に側にいて 月都君には近付かさない様にしてくれている。


「月夢ちゃんが悪い。あの発表の後、雲隠れしちゃって、会社にも出社してないなんて、どんだけ守られてんの?

結弦に聞いても完璧のデフェンスだし。こっちサイドは入る隙全くなしで お手上げなんだよ。」


困った風を装いながら 本当は違うんじゃないかと思ってしまう私は かなり月都君を警戒している。


「俺は彼氏として…お前と月夢が関わって欲しくない。」

「彼氏としてね。会社としてならいいんだ?」

クスクス笑う月都君の考えが全くわからない。


「翔君…。」

「月夢ちゃんの日常をこれ以上振り回さない様に 俺に考えがあるから任せて貰えないかな?」

「チッ。無理だろ?お前どの口が言ってんのかわかってんのかっ?」

翔君が怒りを露にして…


「お前、今後一切月夢には会わさない。もう帰れよ…。」

「へぇ そんな事言っていいの?月夢ちゃんが ここにいるって知ってるんだけど?」

「─────っ」

「帰れよ…」

「は~い。覚えておいて…月夢ちゃん、俺ターゲットを落とすまで諦めない男なんだよね…じゃあね。」

爽やかな笑顔で笑う月都君が帰って行ったけれど…

ただ不安だけが残る 予想不可能な見えない事態に戸惑うばかりで どうする事も出来ないのであった。




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