* switch *
「翔君、今日会社に月都君が来てたんだよ。何の目的で来たか 噂で聞いたりした?」


翔君の会社の専務が月都君だから、会社事情は翔君の方が詳しいかもしれない。


「いや、上層部での話は 下までは中々こないから、多分トップでの話なんだろ?専務が来たのを知ってるって事は 月夢も呼ばれたの?」


「うん、呼ばれたのは…私がメインになるからだと思う…。」


「は?メインって何?」


「私がCMで宣伝する話。それでCM料は研究費のスポンサーをどうかって話だったの。」


「月夢をCMに起用?冗談じゃない…。断ったのか?」


「考えさせてもらっていて、今保留なの。」


「無理だろ?月夢は一般人なのに、これ以上騒がれたら 普通の生活出来ないのが 目に見える。わかってる?」


それは イヤなんだけど…研究費用のスポンサーの話は捨てがたい。もっと色々な研究を
ずっと出来るのなら───。


グイッ


翔君に抱きしめられ


「本当は俺の我が儘。月夢を俺だけのものにしたいから。TVに出たら、月夢が遠くに行ってしまうんじゃないかって…」


翔君の弱々しい言葉を聞いて 泣きそうになる。

「翔君、そんな私は一般人だよ。買い被りすぎじゃない?」



「はぁ───。これだからダメなんだよ。自分の魅力が全然わかってない子は…。」


チュッとキスをされ、見つめられ…


「多分…いや絶対、結弦も同じ様に反対するよ。まだ聞いてないだろ?」

「うん、お兄ちゃんにも聞いてもらおうと思ってるよ。」


「今直ぐ連絡して、今日の状況も知らさないとね。」

翔君がお兄ちゃんに電話して お兄ちゃんがこっちに向かうという事なので 翔君と待つ事にした。



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