* switch *
「で、今日は俺を呼び出した目的は何?」


「わかんないのか?ちょっと目を瞑ってくれないか?」


「ああ、何をするつもりだ?」


翔君の方を見るけれど 翔君も訳わからない顔をしているみたいで、私と同じだ。


「いいから 黙って…。」


お兄ちゃんの威圧的な言葉が少し怖いけれど、素直に目を瞑ぶる月都君に────


お兄ちゃんが濃厚なキスをお見舞いし出した?!は?どうしたの 急に?


「ん───。やめっ///ん…ん?」


初めはものスゴく抵抗していたのに 何だか途中から おかしな様子の月都君…


「ぅん///あっ…」


何だか見てるこっちが恥ずかしくなる男同士のキスに イケない妄想までしてしまいそうになる。

離れた唇同士から、はぁ…と吐息が聞こえて
月都君の顔が蕩けていた。


「どうしたんだろ?さっきまで月夢ちゃんが 欲しくて堪らなかったのに、今は何も思わない。」


月都君のお兄ちゃんを見る眼差しが 妖しく妖艶に色めいていて、これは────、明らかに 心を撃ち抜かれた顔になっている?!

元々アイドル顔の月都君の流し目は 半端ない威力があり、こっちとしてもドキドキする。こんな目で 見られなくて良かったと本気で思う程で…


「結弦、これがさっき言ってたやつか?まさか、これ…本当は誰に試すつもりだったんだよ?」


「そんなの、決まってんだろ?」


「俺、お前の思考がこの先 これ以上間違った方に進まない事だけを願うわ。じゃないと、怖いんだけど?」


翔君の言いたい事ってつまり?私をスゴく心配しているようだ。お兄ちゃんとは 絶対密室で二人で会ったりしては いけないと本能で理解した。





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