【短】キミに好きになってもらう10の方法
2つめ。
「ねえ光希くん」
「アンタ、しつこいですね」
3回目でやっと返事をしてくれた光希くんは、図書の整理をしている。
告白から1週間。
同じ図書委員会の私と光希くんは、丁度同じ日の当番になった。
「好きなタイプ教えて?」
「センパイ、口より手を動かしてください」
「え? 私がタイプ?」
「アンタ頭へーき?」
私は上段にある本に手を伸ばしながら
若干の馴れ馴れしさを嬉しく思ってにやついた。
重症かな?
「好きなタイプくらい教えてよ」
「しつこいですって」
その瞬間、脚立がぐらりと揺れ、
「……っ! バカッ」
着地点は、彼の腕の中だった。
「……ありがとう」
彼の顔を見ると、少し赤くなっている。
照れてる?
そう思ったすぐには、彼は真顔に戻り、眼鏡の位置を整えた。
「……好きなタイプは、バカじゃない人ですね。」
さっき、私にバカって言った後にそれ言う?
キミに好きになってもらう方法【その2】は、
彼の好きなタイプに近づくことだ。