【短】キミに好きになってもらう10の方法
3つめ。
「男の好きな仕草? ボディータッチじゃね?」
2つ上の兄がそう言った。
ちょっと聞きたかったこととは違うけど、ボディータッチも一理ある。
「あ、光希くんだ!」
丁度、ボディータッチしてやろうと考えながら登校してたら、昇降口で発見。
しかも一人だ。
「光希くん!」
「なんですかセンパイ、おはようございます」
「あ、うんおはよ……」
朝が弱いみたい。
朝から元気ですね、なんて付け加えられた。
「…………」
「…………」
しまった、声をかけたはいいけど、どうやってボディータッチするかとかなんも考えてなかった!
「……用ないなら行きますね」
「ちょっ」
待って、と背を向ける彼の手に手を伸ばした……けど。
「……っ、」
その手を引っ込めた。
キミに好きになってもらう方法【その3】は、
ボディータッチをすること。
だったけど、
ドキドキしすぎて触れられなかった。