『来年の今日、同じ時間に、この場所で』
「フジヤマ、体重かけるなよ!」
「だってぇ、滑るんだもん」
苔の生えた岩が足元のバランスを奪う。
「重いんだわ」
「いいじゃん。男でしょ!」
「おまえもな。」
「私は女だっつーの!」
「どこが?」
「はあ〜〜ん‼︎」
なんか久しぶりだな…
こうやってベンとふざけ合うの。
あの手紙の一件から
なんとなくギクシャクしてたけど
ベンは関係なくて
ただ私が勝手に遠慮してただけかもしれない
今こうしてベンが目の前で笑ってることが
居心地が良くて嬉しかった。
夜になると恋バナで盛り上がった。
「えー!未来は祐介が好きだったの!」
「しーーっ!声が大きい!」
未来が私の口を慌てて塞いだ。
3人部屋のコテージといっても隣のコテージとは接近してるから未来の慌てぶりも理解できた。
1年生の時は違うクラスだったけど
同じバレー部で仲良くなってから私達3人は常にクラスも部活も一緒に過ごしたのに、恋バナをするのは初めてだった。
「真凛て鈍感なんだね〜、私は気付いてたよだって未来わかりやすいじゃ〜ん。」
千秋は呆れた顔をしていた。
「私千秋の好きな人わかるよ!木村先輩でしょ!」
鈍感だって言われてちょっとムキになった私は千秋の好きな人の名前を挙げた。
「ぜーんぜんっ違うんですけど!」
千秋と未来が大声で笑った。
私ってば、やっぱり鈍感なのかな…。
「私はね野中先生が好きなの!そういう真凛は前田でしょ!」
「え!野中先生!あのボランティア部の?」
千秋ってば大人だ。
全然気付かなかった…。
確かに野中先生は私達の入学と同時に新任になって今は25歳。
でも、先生だよ?
恋愛対象になるかなぁ〜…。
「図星でしょ!」
千秋が私の鼻を押した。
「な。なんだっけ?」
「だ〜か〜ら〜。真凛は1年の時から前田一筋でしょ!」
「違うよぉ!ベンはただの友達っ!なんつーの?お世話係みたいな感じなだけで。」
「否定の仕方がベタだな。」
「ほんっと、そういうんじゃなくて。
だってあいつモテるし、私のこと女だと思ってないし。」
千秋と未来が冷ややかな目でみている。
「でも前田って女子に対して、かなりの無愛想だけど真凛といると、よく笑うよね」
「今は結構誰といても笑うようになったよ、無愛想なんかじゃないよ。ちょっと意地悪なとこあるけど優しいとこだってあるし。」
千秋と未来がニヤついた。
「真凛、それが『好き』って言うんだぞ」
千秋が私の肩に手を置いた。
好き?
私がベンのコトを好き?
まさか…⁈
「おやおや?その顔はもしや気付いてなかったとかじゃないよね?」
千秋が私の顔を覗き込んだ。
…え。
「え?本当に気付いてなかったとか?」
…えー!
「えーー!嘘でしょーっ‼︎
同じクラスなら誰もが気付いてるくらいなのに本人まったく自覚なし?」
千秋が目をまん丸くして後ずさりした。
「この子ってば…ほんとに鈍感。」
未来が頭を抱えた。
…嘘でしょ?
いやいやいや。ない!
だってベンとの出逢いは最悪で
いつも男扱いされて
からかわれて
それで、それで…。
「認めなさい」
2人に両肩を叩かれた。
えーー!認めるもなにも!
ありえないってばーー!
「だってぇ、滑るんだもん」
苔の生えた岩が足元のバランスを奪う。
「重いんだわ」
「いいじゃん。男でしょ!」
「おまえもな。」
「私は女だっつーの!」
「どこが?」
「はあ〜〜ん‼︎」
なんか久しぶりだな…
こうやってベンとふざけ合うの。
あの手紙の一件から
なんとなくギクシャクしてたけど
ベンは関係なくて
ただ私が勝手に遠慮してただけかもしれない
今こうしてベンが目の前で笑ってることが
居心地が良くて嬉しかった。
夜になると恋バナで盛り上がった。
「えー!未来は祐介が好きだったの!」
「しーーっ!声が大きい!」
未来が私の口を慌てて塞いだ。
3人部屋のコテージといっても隣のコテージとは接近してるから未来の慌てぶりも理解できた。
1年生の時は違うクラスだったけど
同じバレー部で仲良くなってから私達3人は常にクラスも部活も一緒に過ごしたのに、恋バナをするのは初めてだった。
「真凛て鈍感なんだね〜、私は気付いてたよだって未来わかりやすいじゃ〜ん。」
千秋は呆れた顔をしていた。
「私千秋の好きな人わかるよ!木村先輩でしょ!」
鈍感だって言われてちょっとムキになった私は千秋の好きな人の名前を挙げた。
「ぜーんぜんっ違うんですけど!」
千秋と未来が大声で笑った。
私ってば、やっぱり鈍感なのかな…。
「私はね野中先生が好きなの!そういう真凛は前田でしょ!」
「え!野中先生!あのボランティア部の?」
千秋ってば大人だ。
全然気付かなかった…。
確かに野中先生は私達の入学と同時に新任になって今は25歳。
でも、先生だよ?
恋愛対象になるかなぁ〜…。
「図星でしょ!」
千秋が私の鼻を押した。
「な。なんだっけ?」
「だ〜か〜ら〜。真凛は1年の時から前田一筋でしょ!」
「違うよぉ!ベンはただの友達っ!なんつーの?お世話係みたいな感じなだけで。」
「否定の仕方がベタだな。」
「ほんっと、そういうんじゃなくて。
だってあいつモテるし、私のこと女だと思ってないし。」
千秋と未来が冷ややかな目でみている。
「でも前田って女子に対して、かなりの無愛想だけど真凛といると、よく笑うよね」
「今は結構誰といても笑うようになったよ、無愛想なんかじゃないよ。ちょっと意地悪なとこあるけど優しいとこだってあるし。」
千秋と未来がニヤついた。
「真凛、それが『好き』って言うんだぞ」
千秋が私の肩に手を置いた。
好き?
私がベンのコトを好き?
まさか…⁈
「おやおや?その顔はもしや気付いてなかったとかじゃないよね?」
千秋が私の顔を覗き込んだ。
…え。
「え?本当に気付いてなかったとか?」
…えー!
「えーー!嘘でしょーっ‼︎
同じクラスなら誰もが気付いてるくらいなのに本人まったく自覚なし?」
千秋が目をまん丸くして後ずさりした。
「この子ってば…ほんとに鈍感。」
未来が頭を抱えた。
…嘘でしょ?
いやいやいや。ない!
だってベンとの出逢いは最悪で
いつも男扱いされて
からかわれて
それで、それで…。
「認めなさい」
2人に両肩を叩かれた。
えーー!認めるもなにも!
ありえないってばーー!