きみの好きなところを数えたら朝になった。
それから私は先輩の持ってきてくれたゼリーとフルーツを食べて薬を飲んだら嘘のように身体が軽くなった。
……これなら晩ごはんの支度ができるかも。
私は今のうちに家のことをやろうとリビングに向かった。するとそこには西崎がいた。……まだ帰ってきてないと思ってたのに。
気まずくてそのまま台所に行くと、テレビを見ていた西崎がこっちを向いた。
「コンビニで弁当買ってきた。あとおじさんのぶんも」
私の料理をしようとした手が止まる。
「お前は食欲ないかと思って弁当は買ってきてない。でも冷蔵庫に……」
口を濁す西崎を不思議に思って冷蔵庫を確認すると、そこにはカップに入ったゼリーが。
しかもりんご味。
「これって……」
チラッと西崎のほうを見た。
たしか小学校の時、今日みたいに私が風邪をひいて学校を休んだとき西崎が持ってきてくれたのがりんご味のゼリーだった。
それから私はゼリーといえばりんご味になった。
そのことを覚えててくれた?
……まさか、まさか、ね。
「でもいらなかったみたいだから、それは俺が食う」
誰もいらないなんて言ってないのに気に障る言い方。西崎はわざとゼリーを取りにきて私の手から奪った。そして……。
「須藤先輩って相当お前のことが好きなんだな」