きみの好きなところを数えたら朝になった。
TIME OF MYLIFE 二人


***


そして週明けの月曜日。

いつもと変わらない食卓で朝ごはんを食べる。最近は朝食の用意だけをして一足先に家を出ていたけど、今日に限って西崎が早く起きたから久しぶりに顔を合わせることになってしまった。

西崎を前にして食欲が沸くはずもなくて、なかなか箸が進まない。

そんな中でお父さんが新聞を片手に持ちながら言う。


「今日の晩ごはんはいらないからね。会社の飲み会があるんだ」


……飲み会か。あんまり酔い潰れなきゃいいけど。


「だから出前でも取ったらどう?ふたりで相談してたまには好きなものをでも食べて」

お父さんはそう言ってお財布から五千円札を取り出した。私はそれを受け取ってチラッと西崎を見る。すると……。


「……えっと、実は俺も今日……」

西崎が言いづらそうな顔をした。


「もしかして柊也くんはデートかい?」

「……まあ、……はい」

西崎の声が小さくなっていって、私はお父さんの食べ終わった食器を片付けるふりをして席を立った。

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