きみの好きなところを数えたら朝になった。


これは私なりのケジメだ。

もう少しで西崎は家を出ていく。私には時間がない。だからこれで最後にしようと思った。

もし、桃香ちゃんとのデートに行かずに私を選んでくれたら……。


「来なかったらどうするの?」

ぼんやりと休み時間に窓の外を眺めていた私の隣にせっちゃんがきた。


「その時はキレイさっぱり諦めるよ」

あはは、と笑ってみたけど明らかに笑顔は引きつっている。


西崎が来てくれる可能性は限りなく低い。今朝の西崎の顔を見れば分かる。

中庭では今日も5組の男子たちが騒いでいて、その中には西崎と桃香ちゃんもいた。


私の決意とは裏腹に桃香ちゃんはずっと西崎の隣にいて「今日はバッティングセンターに行くんですよ~」と周りの人に話している。

誰が見てもラブラブで、あのふたりの間に入り込む隙なんてないほどに。


「西崎もバカだよね」

せっちゃんがその光景を見ながら呆れた顔をしていた。 

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