きみの好きなところを数えたら朝になった。


誰かの悪口を絶対言わなくて、周りもイヤな気分にさせなくて、だからみんな西崎のことを好きになる。


西崎の嫌いなところはたくさんある。

でも、好きなところもたくさんある。


ひとつ、ひとつ、思い返して。
ひとつ、ひとつ、数えたら。

きっと、あっという間に夜が明ける。

いつの間にか朝になる。

それぐらい、西崎にはいいところがたくさんある。


だから私はこんなに西崎のことが好きなんだ。


どこが?なんて自問自答しても答えがでないわけだ。だって私は西崎の全部が好きだから。

それでも、交わらないことがある。

どんなに想っても重ならないことがある。


「……っ」

乾いた地面に涙が落ちた。


きみは来ない。

きみは……私を選ばなかった。


好き、だった。

大好きだった。

でも、これが現実。

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