きみの好きなところを数えたら朝になった。
まさかこんなタイミングで桃香ちゃんに会うとは思ってなかった。つくづく神様は意地悪なことをする。
「私と柊也先輩が別れたこと、もちろん知ってますよね?」
そしてわざと私に西崎の話をするあたりがやっぱり桃香ちゃんは天使なんかじゃない。
「けっこう新鮮で楽しかったんですけどね。でも私には恋愛経験が豊富で年上の人のほうが合ってるみたいです」
「………」
「だからあげますよ。雨宮先輩に」
西崎をモノみたいに言われてムカついた。
本当に飽きたから捨てたみたいな言い方で、許されるのならビンタぐらいしてやりたい。
でも私にそんな資格はない。
西崎はきっと桃香ちゃんのことが本当に好きだった。それは自分のプライドをなくしてでも、桃香ちゃんと同じ時間を共有していたかったんだと思う。
そのぐらい桃香ちゃんには魅力があった。
それは容姿だけはなかったと思う。