きみの好きなところを数えたら朝になった。

***


そして放課後になった。

クレープのためにお昼ごはんは少し控えめにして、もう口の中がバナナチョコホイップの気分なのにこんな時に限って担任からの呼び出し。

どうやら数学の課題を出し忘れていたらしい。

慌てて職員室まで出しに行って、私としては珍しいドタドタ音で廊下を走る。


……先輩に一応ラインしたけど待ってるかな……。

1秒でも待たせるわけには行かないと昇降口へと向かう足が速くなる中でドンッ!と曲がり角で誰かとぶつかってしまった。

私もそこそこ痛かったんだけど、それ以上に女の子がビックリするぐらいの勢いでぶっ飛んでしまって、私は慌ててその子に近づいた。


「わわ、ご、ごめんなさい!全然前見てなくて!あの、だ、大丈夫ですか……?」

その場に座りこんでしまった女の子に手を差し出す。
< 27 / 170 >

この作品をシェア

pagetop