きみの好きなところを数えたら朝になった。
「大丈夫です。私もよそ見をしてたので……」
柔らかい指先が私の手と重なって、その子はスカートを直しながら立ち上がった。
……うわ。
その子の可愛さに思わず、ぎょっとしてしまった。
髪の毛はふわふわのゆる巻きでまつ毛の長さは私の倍以上。透き通るような白い肌に、折れてしまいそうなほど華奢な手足。しかも小柄で声も可愛くて、本当にお人形みたいな子。
上履きの色が青だから1年生だ。この破壊力はちょっと私も急ぐのを止めてしまうぐらいの美少女。
「先輩こそ、大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」
私を心配そうに見つめる瞳。
首を傾げるその角度は狙ってそうな気もするけど、狙ってやっててもこの子なら許せる。
「あ、うん。私は大丈夫!」
「そうですか。良かった。それじゃ失礼します」
おまけにペコリと頭を下げて、なんて礼儀正しい子!
ちょっと自分の容姿と比べてしまって虚しくなったけど、今はそんなことを気にしてる場合じゃないと須藤先輩の元へと急いだ。