きみの好きなところを数えたら朝になった。
「電話で話した居候させてもらってる雨宮さん家の娘」
西崎のくせに頭がいい紹介の仕方だと関心してしまった。
これなら私繋がりではなく、西崎と私のお父さん経由で居候の話が進んで、まるでそこに偶然私がいた、みたいな言い方だ。
さすがにここで幼なじみとして仲が良かったからなんて言える雰囲気じゃないし。
「え?居候?」
すぐに反応したのは桃香ちゃんにじゃなくて先輩のほう。
そういえば私も先輩にまだ言ってなかった。というかわざわざ言う必要性を感じてなかっただけなんだけど。
「柊也先輩から聞いてますよ!なんかすごく居心地がいいお家でご飯も美味しいって」
「あははは……」
桃香ちゃんは彼氏が同級生の女の子の家に泊まっていてもなんとも思わないタイプらしい。それはそれですごく助かるけど。
「今度遊びに行ってもいいですか?」
「え?うちに?」
「はい!柊也先輩のお家にはまだ行けないし、
ご迷惑じゃなければ……」
ああ、そんなウルウルした目で見ないで……。上目遣いで絶対計算だって分かるのに可愛すぎて突き放せない。
「う、うん。いいよ……」
「やったあ!私、お菓子作って持ってきますね!」
勢いに任せて、とても面倒な約束をしてしまった。