きみの好きなところを数えたら朝になった。


「誰が食べていいって言ったの」

「いいじゃん俺のだろ」

「違うし。お父さんに取っておいたやつだし」

「はは、おじさんが二皿も食べるわけねーじゃん」


……この余裕な感じが腹たつ。

そしてなんで私は西崎のぶんまで丁寧に焼きそばを取り分けてしまったんだろう。そんな自分が情けなくて悔しい。

私は「……はあ」とため息をついて、焼きそばの続きを一緒に食べはじめた。


「明日ドッジやる?」

「……どうせ西崎はすぐに外野行きでしょ」

「俺が下手みたいに言うなよ。つーかけっこうお前俺らが中庭で遊んでんの上から見てるだろ」

「見てないし」

「絶対見てる。俺の視力なめんなよ」

「バカじゃん」

「バカじゃねーし」

そんなやり取りをしている間にイライラしてたことも忘れて、西崎といつも通りになっていた。
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