きみの好きなところを数えたら朝になった。
桃香ちゃんの女子力に圧倒されながら私は話を繋げる。
「な、なにか飲み物でも飲む?お茶とかジュースとかあと紅茶もあるけど」
「お気遣いありがとうございます。じゃあ、紅茶で。その前に柊也先輩のお部屋とか見てみたいんですけどいいですか?」
「うん。2階にあるから西崎案内してあげれば」
「じゃあ、桃香こっち」
そう言って西崎は桃香ちゃんを連れて2階に上がっていく。
ふう、と私は一息ついてお客さん用のマグカップを棚から取り出した。……なんだかものすごくやりづらいというか、自分の家なのに肩に力が入る。
昨日の夜にせっちゃんに桃香ちゃんが来ることを伝えたら、断ってもよかったんじゃない?と言われた。
たしかに桃香ちゃんは私に会いにきたわけじゃなく、西崎とのお家デートをしにきたわけで。
しかもそれが私の自宅ってところが複雑な心境なんだけど、居候とはいえ西崎が今住んでるのはこの家なんだから家に遊びにいきたいと言う桃香ちゃんを無下にはできなかったというか……。