きみの好きなところを数えたら朝になった。


***


「澪、顔色わるいけど大丈夫?」

次の日。教室に着いて私の顔を見るなり、せっちゃんが心配そうに声をかけてきた。 


「ああ、せっちゃんおはよう……」

「おはようじゃないよ!顔が真っ青だけど」

「そ、そうかな?全然元気だよ」

実は昨日の夜は一睡もできなかった。

たぶん久しぶりにあの時の気持ちを思い出して、忘れていたモヤモヤがぶり返したように気分が晴れなくて。

そしたら眠気も嘘のように飛んでしまって気づけば朝になってた。

もちろん朝ご飯なんて食べられるわけもなく、お父さんと西崎のぶんは用意したけど私はなにも手をつけなかった。


「1限目休んだら?5組と合同で体育だってよ」


……5組と合同?

それって西崎のクラスじゃん。どうやら今日も神様は私に意地悪らしい。

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