きみの好きなところを数えたら朝になった。
あ、って思った。
西崎のビックリした顔もそうだけど、こんなに余裕がない自分に呆れた。
別にいつもみたいに冷静に接すればよかった。
こんな全力で否定するなんてバカみたい。
これじゃ、まるで私が西崎に対して……。
「澪ちゃん?どうしたの?」
と、その時。食堂へと繋がる通路から誰かが走ってきて、それは須藤先輩だった。
ああ、タイミング最悪……。
色んな人から注目浴びてるし、せっちゃんには迷惑かけちゃうし。本当に私、なにをしてるんだろう。
恥ずかしさと逃げたい気持ちでぐるぐると頭が痛くなって、目の前にいた西崎の顔が歪んでいる。
「え、お、おい!雨宮……!」
遠くで西崎の声がした。
視界が反転して憎たらしいほどの青空が見えたあと、私の記憶はそこで途切れた。