やっぱりあなただけ


雄介のことは、6年前の小学6年の時に好きになった。初恋だった。


実は雄介もそのとき私のことを好きだったらしいのだが、お互い気持ちを伝え合わないまま小学校、中学校を卒業した。


その後、私は市内の公立高校へ、雄介は小さい頃から続けていた水泳の成績が実を結び、水泳全国トップの高校へ入学するために県外の高校へと進んだ。


そんな私たちが再開したのは、高校2年の水泳大会だった。


背が高くなり、昔の可愛らしさが消え、凛々しさが増していたのに、相変わらず屈託のない笑顔を見せる雄介に再び恋に落ちるのは、一瞬だった。


それから1年、猛アタックを続け、見事高校3年の夏に私たちは付き合い始めたのだった。




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