やっぱりあなただけ
その日の夜、私は雄介を家に呼び出した。
本当なら私が雄介の家に行くべきなのだろうが、私はうつ病の症状である度重なるおう吐と食欲不振で、体力はもうほとんどなかった。
雄介には全てを伝えた。すべてを伝えたうえで、別れに同意してくれた。もう涙は出なかった。
別れは思ったよりもあっさりしていた。
「俺さ、お前が大事すぎて手をつなぐことさえ怖かったんだよ。でも俺のそんな身勝手な考えがお前を傷つけてたんだな……。苦しめてごめん。さようなら。」
雄介は、最後にそう言って帰って行った。
最後まで後ろ姿を見送った後、ボーっとした頭でリビングのソファーに座ると、頬に温かい感触がした。涙だった。
私たち終わったんだ………
私は、それから何時間泣いたのだろうか。時間の感覚はまるでなくなっていた。