やっぱりあなただけ
1年後
あの涙を流した日から1年が経った。20歳まであと数ヶ月。
あの日から必死にうつ病と向き合い、闘った。
今ではすっかり元の生活に戻れている。
そんな中でもやっぱり変わらなかったのは雄介への想い。
どれだけ月日が経っても、どれだけ辛い日々が続いても、やっぱり気持ちは1㎜も変わらなかった。
そして、会いに行く日が決まった。
電話越しの雄介の声は、自然と私に涙を流させた。
私の最寄駅から電車を乗り継いで3時間。
自然豊かな街に今の雄介の一人暮らしのアパートはあった。
付き合っていた頃も来たことがなかった街なのに、なぜだか懐かしい気がした。
緊張しながら雄介の部屋のチャイムを鳴らす。
多分ドアが開くまで10秒くらいだったけれど、私にはもっとずっと長く感じた。
ドアが開いて1年ぶりに雄介と顔を合わせる。
「久しぶり。」
そう言った雄介の声は、電話とはまた違って、私の目頭を熱くさせた。
懐かしい。雄介だ…………
「久しぶり。元気だった?」
必死に私も返したけれど、声は緊張でブレブレだった。