あなたしか愛せない
「付いていこうか?」
隣にいる寺田が言った。
「ううん、いいよ。大丈夫」
これ以上、問題起こしたくないのに…
きっと、皐月お兄ちゃんの耳にも入っている。
「はぁー」
結婚とは関係なく、嫌われちゃうかも。
コンコン。
準備室の前まで来ると、扉をノックした。
シー…ン。
あれ…さっき、準備室って言ったよね?
「神戸先生?」
静かに扉を明け、中を覗いた。
「…皐月」
ドクン。
え…皐月?
「学校だ、ここは」
この声ー…
静かに、準備室の奥へと向かう。
ドクン。
ドクン。