あなたしか愛せない
「あら!皐月くん!!久しぶりね」
ドキ。
玄関から、お母さんの声と皐月お兄ちゃんの声。
どうして…
慌てて自分の部屋へと籠った。
今は会いたくない、会いたくない!
コンコン。
「!」
部屋をノックする音。
「夏帆、開けて」
ドクン。
…嫌だ。
「お願いだ。大事な話があってきたんだ」
まだ心の準備ができてないのに!!!
「夏帆!!いい加減にしなさい!!開けるわよ!!」
「!!?」
お母さんの怒鳴り声と同時に、ドアを無理やり開けられた。
「…」
唖然としてしまう。
「さ、どうぞ。お願いしますね、皐月先生」
そういうと、さっさと出て行ってしまった。