あなたしか愛せない
「はぁー、走ったら暑いな」
どうしよう、どうしよう。
入学式に抜け出すとか高校初日にあんな目立つことして、これから3年間どうなるのかー…
ていうか、皐月お兄ちゃんに後で怒られる。
今まで真面目に学校生活を送ってきた夏帆にとっては、衝撃的だった。
「なぁ」
「…」
しかも今現在、金髪のヤンキーと二人きり。
こんな人気のないところで何されるかー…
「なぁってば」
目を合わせたら殺られるー…
目をあわせまいと、俯く。
「聞こえてんだろ」
「!」
グイっと顎を持たれ、上を向かされた。
うわ…目が合った。
「なんだ…お前…」
「…」
ヤバい。終わった。
「綺麗だな」
「!」
へ…
綺麗?