あなたしか愛せない
あの後、他の先生が来てしまって皐月お兄ちゃんは行ってしまった。
「はぁー…」
学校に行くのが憂鬱だ。
皐月お兄ちゃんに会うのもだけど、入学式にあんなことをしたから学校中の注目の的。
廊下を歩いてるだけで、ジロジロ見られているような気がする。
「夏帆!おっす」
声を掛けてくるのは、この状況を作った本人ぐらい。
「…寺田くん、おはよう」
相変わらず金髪で。
「元気ないな。何かあったか?」
「寺田くんと違って図太くないから…ジロジロ見られるのに耐えれないだけ」
「ジロジロ?」
しかも、同じクラスで隣の席。
「それは、夏帆が綺麗だからだ」
「!」
「ジロジロじゃなくて男は見惚れて、女は嫉妬してるんだ」
「///」
普通に照れることを言う。
悪い人ではないと思うけどー…
「寺田くん、なかなかストレートに言うわね」
「!」
声を掛けてきたのは、担任の神戸先生。