私が君にあげたいものは。
「何言ってるの?俺が忘れると思った?そんなに抜けてる?そうかぁ、春歌は俺がそんな風な男だと思ってたんだぁ。」


私から離れ、うんうんと頷きながら喋り出す直哉。


「っ、え、違っ……!!」


すると、ふわりと貴方の匂いが私を再び包む。


「違うんでしょ?じゃあ、そんなことで悩まないで。俺のせいで泣いてるなんて、悲しいでしょ?」


眉を下げながら言う直哉。


……そうよね、こんなことで悩んでた私が馬鹿みたい。



「聞いてっ今日ね、直哉の好きな料理、たーくさんつくったの。それで……プレゼント、何だけどね。」


「ん?」


優しい声で聞き返してくれる。


ふふっ。



「…………これ。欲しいって言ってたピアス。一緒に買い物いった時に言ってたじゃない?だから……買ったんだけど……」


取り出したのは淡い紅色のダイヤ型のピアス。


怒るかな、高いのに。


すると貴方は黄色の目を見開き、こう言った。


「え、嬉しい!!これって……良く覚えてくれてたよね!大好きだよっ春歌!」


チュッ


おでこにキスしてきた。


「ふぇっ?!」


すると直哉はふふっとわらい、こう言った。
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