ブーケ・リハーサル
「それは兄から聞いているから気にしないでください」
「では、こちらへ」
受付で来客用の証明カードをもらい、それを樹里さんに渡す。樹里さんは慣れた手つきで首に掛けた。エレベーターで最上階へ向かう。
「高山さんって、新しい秘書さんでしょ?」
「はい。昨日から働いております」
「そうなんだ。前の職場でも秘書の仕事をしていたんですか?」
「いいえ。普通の事務職でした」
「へえ。ちょっと意外かも。兄って、未経験者を自分の秘書にすることなんてないから」
エレベーターの中で樹里さんはそう言うと、私の顔をじっと見つめてきた。
「高山さんって、彼氏います?」
「いません」
「嘘! 美人なのに」
「お褒めの言葉ありがとうございます。でも、本当にお付き合いしている人はいませんよ」
「そっか」
エレベーターが最上階に止まり、樹里さんを先に降ろしてから自分も降りた。そのまま応接室へ案内し、アイスティー、焼き菓子、おしぼりを出した。
「雨月堂のお菓子だ。いただきます」
樹里さんは嬉しそうにお菓子のラッピングを解いた。すると甘い香りが広がる。
「では、こちらへ」
受付で来客用の証明カードをもらい、それを樹里さんに渡す。樹里さんは慣れた手つきで首に掛けた。エレベーターで最上階へ向かう。
「高山さんって、新しい秘書さんでしょ?」
「はい。昨日から働いております」
「そうなんだ。前の職場でも秘書の仕事をしていたんですか?」
「いいえ。普通の事務職でした」
「へえ。ちょっと意外かも。兄って、未経験者を自分の秘書にすることなんてないから」
エレベーターの中で樹里さんはそう言うと、私の顔をじっと見つめてきた。
「高山さんって、彼氏います?」
「いません」
「嘘! 美人なのに」
「お褒めの言葉ありがとうございます。でも、本当にお付き合いしている人はいませんよ」
「そっか」
エレベーターが最上階に止まり、樹里さんを先に降ろしてから自分も降りた。そのまま応接室へ案内し、アイスティー、焼き菓子、おしぼりを出した。
「雨月堂のお菓子だ。いただきます」
樹里さんは嬉しそうにお菓子のラッピングを解いた。すると甘い香りが広がる。